シー・シー・シー/The Tigers

最初の2夜は、あまりTVを見なかったけれど昨夜は色々見た。まず『In & Out』。これは、単に、次の映画が始まるまでの場つなぎ。久々にMatt Dillonの姿を見ることだけが目的だった。それで、最初の1時間が過ぎると次の映画に切り替えた。それが『耳に残るは君の歌声(The Man Who Cried)』。そして寝る前に『世にも怪奇な物語(Histoires Extraordinaires)』。
『耳に〜』は、前回帰省した時もオンエアされていたけれど、重たそうな内容の上、深夜に始まったので見なかった。幸い、今回はずっと早い時間に再放送されることがわかり、それなら見てみようかと思った。気が滅入りそうなら、途中でやめたらよいのだし。主演はChristina RicciとJohhny Depp。『Sleepy Hollow』のコンビ。Christinaは子役のイメージがずっと続いていたけれど、『Buffalo '66』あたりから、童顔に不似合いなほど豊満になり驚いていた。ところが、この作品では、これまで見たどの作品におけるよりも魅力的だった。あどけなさを残しながらも、役柄にふさわしい物憂げな様子やミステリアスな雰囲気も、表情からはっきり汲み取れた。特に、その眼差しがたまらなかった。Johhny Deppはとりたてて好みのタイプではないのに、いったんスクリーンに登場すると、常に、映画が終わるまでの間、ずっと夢中にさせてくれる珍しい存在だ。今回はいつもと違って、見終わった後も(そして今も)、うっとりし続けている。この人の場合、セリフが少なければ少ないほど、その魅力が一層よく出てくるような気がする。そして、ラヴ・シーン(厳密に言うとベッド・シーンだけれど、ベッドがなかった)は、見ていてドキドキするほど色っぽい。何度か言うように、万年少女趣味気味の私は、演技なのか地なのかわからない生々しい俳優がイヤで、見ていると気持ちが悪くなる。でも彼は違う。ギトギトしていず、それでいて、とても色っぽい演技をする。
ところで、1つ気になったのは、彼が扮するジプシーの騎手を、劇中ではちゃんと「gypsy」と言っているにもかかわらず、字幕では「ロマ人」と言い換えられていたこと。もちろん、ジプシーの別称が「ロマ族・ロマ人」だということぐらい知っているけれど、今や「ジプシー」が、字幕で使えないほど差別的表現になっているのだろうか?そうなると、ここで書くのも慎むべき?
それなら、タイトル・ソングの中にある♪愛の女神はジプシー〜♪というフレーズも不適切なので放送禁止?それより、あのGypsy Kingsは一体どうなるんだろう?う〜ん、またまた悩んでしまう。