Panda/Jefferson Airplane

痛ましい事件や不愉快なニュースに慣れっこになった私達の眼と耳を和ませるかのような話題が、お茶の間をにぎわせている。そう、千葉市動物園在住、レッサーパンダ風太くん。最初、新聞に掲載された写真を見た時は、どう見ても着ぐるみにしか見えず、どうせまたよくあるやらせネタだと思い込んでいた(捕獲した宇宙人の写真や、人面犬などと同様に)。ところが、実際の映像を見てビックリ!
どこかの川や内海に迷い込んで、いつのまにかアイドルとなったアザラシやクジラを見ても、ほのぼのとした気持ちになる前に、「このままで大丈夫?」という気になり、呑気に騒いではいられなかった(そもそも、見た目もたいしてかわいくないし)。案の定、クジラの方は死んでしまったし。それに比べ、風太くんの見事な立ち姿は、文句なしに笑える。直立する動物といえば、まずプレイリー・ドッグが浮かぶけれど、風太くんほどコミカルではない。エゾリスやチップマンクもそう。何が違うのかといえば、多分、手足のバランス。風太くんの手足はずっと長いので、立ち上がるとまるで人間のように見える(詰襟の学生服姿に見えなくもない)。そこがおかしさのポイントだろう。どのニュースで報道されても、普段は真面目そうなキャスターの顔までほころんでいる。
レッサーパンダのことを知ったのは、ジャイアント・パンダが話題になり始めた頃だった。そんな小さい種類のものが存在すると知って興味をもった。知名度の低さも気に入ったし、タヌキやアライグマによく似たそのルックスにも親しみを感じた。ある動物マンガで、悪役キャラクターとなったを見て、さらに笑いのツボにはまった(お腹の部分の色が濃いため、「腹黒い」と言われていた。風太くんも真っ黒)。このまま、世間を和ませ続けてもらいたい。
ただし、飼育係の足をつかんで立つ姿に対し、「そうじゃなくて『普通に』立ってほしいですね」と某キャスターがコメントした時には、思わず突っ込みそうになった。最近よく言われている誤った語法が、こんな時にまで使われるなんて・・・。そもそも、レッサーパンダが長時間立つこと自体、決して「普通」のことではない。
ニュースといえばもう1つ。イギリスで発見された謎の「ピアノマン」の話題。あまりにもできすぎた話だからこそ、今後の展開が気になる。さて、真相はいかに?
タイトル・ソングは、89年に出たリユニオン・アルバムより。正直に言うと、このアルバムはあまり聴いていない。名前こそJAとなっているものの、もはやJAとは呼べないサウンドだから。