Another One Bites The Dust/Queen

昨日書いた薔薇にまつわるLou ReedQueenのコンサートは、実は、絶対に見たい!聴きたい!という強い意志の下で行ったものではなかった。語弊があるかもしれないけれど、「話の種に行った」とでも言うべきか。もちろん、いくらヒマでも、嫌いな人のコンサートに行くわけがない。彼らを嫌いなわけではなかった。でも、積極的にアルバムを聴いたり、活動に注目するほどではなかったというのが本音。Queenの場合、FMなどでもアルバム丸ごと紹介されることが多く、演奏された曲のほとんどが認知できたし、ヴィジュアル的にもそれなりに楽しめた。でも、最後まで「部外者」的な気持ちを捨て去ることはできなかった。アンコールで後部の観客が前に雪崩れ込み、前にいた私は運悪く押し倒され、あわや圧死寸前となった。その時も「ここで死んだら悔いが残る」という必死の思いで、どうにか生き延びた。
一方、Lou Reedの場合は、ほとんどぶっつけ本番で見に行った。眼の前で見た本物は「え?こんな人だったっけ?」と思わずにはいられないほど小柄で地味だった。彼の恋人と噂されていた女装のRachel君が、ステージ後方のソファに意味もなく横たわっているのが目障りでもあった。ちなみに、この時の前座は、日本のプログレ・バンドCosmos Factory。まったく無意味だった。ただ、個人的に喜んだのは、これをプロデュースする立川直樹氏の姿を、チラッと見ることができたこと。Jeff BeckPink Floydのライナーノーツなどでもおなじみの評論家で、ライナーに添えられた写真は、高校時代の私をときめかせるには充分すぎた。そんな人が予期せずに姿を見せたのだから、興奮しないわけがない。なんと彼は、GS全盛期にルビーズというバンドのメンバーだったということが後に判明した。私は全然知らなかったので、それほど有名ではなかったということだろうか。それとも、私がGSを卒業して洋楽に転向した後に出てきたバンドだろうか。レコード・ジャケットを調べてみると、いかにも人気の出そうなルックスだった。もしリアルタイムで知っていたら、見落とすわけがない。ただし、本人はその「過去」を長い間封印し、最近になってようやく客観的に語れるようになったらしい。ルックスが良いと言われ続けることが、とても苦痛だったという。何と贅沢な悩み!
また話が脱線した。話の種に見に行ったバンドといえばもう1つ。それはDuran Duran。でも、完全に場違いな所に来たと思った。そのくせ、Nick Rhodesってそばで見るとなかなか素敵!と思った私はやはりミーハー?