Imagine/John Lennon

2012年のオリンピック開催地が昨夜決定した。当初、最有力候補だったパリに土壇場で競り勝ったのはロンドン。パリ市民、および、フランス国民にとって、長年のライヴァルに負けたことは、さぞかしくやしかったに違いない。でも、喜びに沸くロンドンで一夜明けたら、とんでもない悲劇が待ち受けていた。地下鉄とバスを狙った同時多発爆弾テロ。テロに対する警備システムの最先端を行くと言われているイギリスで、まさかこんなことが起きるなんて!と、まず誰もが自分の眼を疑った。現時点で、犠牲者の数はわかっていない。それでも、相当な数になるものとみられる。
車の免許を持っていない私は、どこへ行っても、公共の交通機関に頼らざるをえない。だからこそ、それらが充実している大都市はとてもありがたい。たとえばこのロンドン、そしてロンドンに負けたパリ、NYC、東京、ミラノetc.。いずれも、地下鉄やバスが網の目のように走っているので、どこにでも自由自在に行ける。逆に、LAのように、車がなければ不便なところは敬遠したくなる。ちなみに、一番好きなのは、大都市ではなくて、自分自身の足や自転車を使って、気軽に歩き回れる中・小都市だけれど・・・。
1人旅の最中に、とても居心地がよかったロンドンにはかなり長い間滞在し、せっせと美術館や博物館巡りをした。その間、もっぱら利用したのが地下鉄だった(19世紀に造られ、歴史あるロンドンの地下鉄は、正直に言うと、あまり快適ではないことがわかり、短距離間の移動なら、あえて地下鉄に乗らず、自分の足で歩くことも多かったけど)。
そんな公共機関を狙って、多くの人々を無差別に攻撃するのは卑怯だし、絶対に許されるべきことではない。テロは誰が何と言おうと悪いことに決まっている。でも、その一方で、自分たちの権利や主義主張のため、あえて、そういった手段を選んでしまうほど、虐げられている(少なくとも、彼ら自身はそう思っているはず)人々がいるということもまた大きな問題といえる。つまり、先日のLive 8の一連のテーマのように、まず問題の根本を解決しない限り、事態の改善は望めないと思う。そのためにはどうするか?ここで軽はずみに答えを出せるようなものではない。彼らは、話し合いで解決できないと思っているからこそ、ああいった極端な手段で訴えようとしているのだから。
そう考えると、今日のタイトル・ソングは、単なる理想主義の夢想家のつぶやきにすぎないのだろうか?Dylanが♪The answer is blowin' in the wind〜♪と歌っているように・・・。