Living In A Dream/Arc Angels

昨日はソフトクリームの話から、幻(?)のアイスクリームにまで発展したけれど、幻のアイスといえばもう1品ある。それはロッテの「わたぼうし」。今や定番の「雪見だいふく」の前身として登場し、あっという間に消えてしまった。外側がお餅状の「雪見だいふく」とは違い、「わたぼうし」はマシュマロでアイスを包んでいたので、ふわふわとした柔らかい食感を楽しむことができた。なのに、2度と食べられない。店頭で「雪見だいふく」を見かけるたびに、「こんなのより、ずっとおいしかったのに!」と恨み言を吐かずにはいられない。食べ物に関する私の執着心は、なかなかすごいんだから・・・。
そういう意味で、今日、ついに長年の夢の1つが叶った。それは夏みかん!この日記の中でキーワード検索すれば何度も出てくるほど、夏みかんは私にとって幻の柑橘系だった。最後に食べたのはいつだったかさえ覚えていない。数年前のある日、発作的に食べたくなり、以来、スーパーやデパート、はたまた朝市などで探し回っているのに、まったく見つからない。去年、ネット通販を発見した時には、すでにシーズンが終わっていた。
帰省のたびに、母にも何度も尋ねていた。そして前回、やっと見つかったと言って、3個手渡してくれた。感動して食べ始めたけれど、何だかイメージが違う。あまり酸っぱくないし、香りも不自然だった。手に入らないからこそ、いつのまにか美化していたのだろうか。でも、いずれにしろ、夢が叶ったので、それで気がすんだ。もうこれで、夏みかんは封印してもいいとさえ思った。ところが、今日、母が再び、「今度はホンモノよ!」と言って、2個差し出してくれた。「え?この前のは違ったの?」と尋ねると、それは聞いたこともないヘンな名前(カタカナと漢字まじり)の品種だった。どうりで、記憶していた味と違っていたはずだ。今、眼の前にあるのは、表皮がやや黒ずんでアバタだらけ。見るからに見苦しい。これがあこがれの夏みかんかと思うと、ちょっと失望する。でも、外見で判断してはいけない。半信半疑で皮を剥くと、中には見るからにジューシーな袋がはちきれそうに詰まっていた。早速、ひと口食べると、子供の頃の記憶のままの、あの刺激的な酸味が広がってきた。そうそう、これこれ!長い間、追い求めてきたのは、まさにこれだった。しばしの間、酸っぱい快感に身をゆだねた。今度めぐり合えるのはいつになるかわからないので、全神経を舌と喉に集中させて、その味を必死で記憶しようとした。まさにナチュラル・ハイのひとときだった。