Candle In The Wind/Elton John

すでに書いた通り、これまで、お盆に帰省することなんてめったになかった。ましてや、初盆の数々の儀式(?)なんて知る由もなかった。せいぜい知っていたのは、初盆に限らず、毎年、今日13日から3日間、夕方になると各家の前で、迎え火のたいまつを焚くことぐらい。これは、子供の頃から、時々手伝ったことがあるけれど、なかなか火が点きにくい。ようやく点いたと思っても、途中で消えたり、その逆に、風に煽られて何かに燃え移ったりはしないかと、そばでしっかり見張っていなければならないので大変だ。しかも、私の実家は、駅前のバス通りに面しているので、車の往来のたびに、炎が燃え上がったり、消えそうになったり・・・と眼が離せない。それに加え、今年は、庭にろうそく用の祭壇のようなものを立てかけている。そこに、1日36本、3日で108本のろうそくを点す。この数字は、ちょうど除夜の鐘の数と同じだけれど、鐘の音と同様に、煩悩を消すことと関係があるかどうかは定かではない。このろうそくの見張り番は、たいまつ以上に苦労する。何しろ全部燃え尽きるまでたっぷり1時間半以上かかるので、その間、火事にならないように、交代でつきっきりでいなければならない。
さらに今日は、夕食後に弟とお寺に行った。お盆恒例の法要があるそうで、今まで行ったことがなかったので話の種(というのは失礼?)に足を運んだ。何といっても圧巻は、本堂での集団法要の後、暗くなった墓地に出て、みんなで一斉に、ろうそくを点した瞬間。自分の先祖のお墓の前だけでなく、お参り客の来ていないお墓すべてに点すことになっていて、瞬く間に周囲が明るくなった。思わず、写真を撮りたくなったけれど、何となく不謹慎のような気もするし、万一、心霊写真になったらそれも怖いので、ぐっとこらえた。ふと、これによく似た光景が、古典の教科書に出ていたことを思い出した。そう、京都化野の念仏寺のろうそく供養。ただ、念仏寺で供養するのは、身寄りのないお気の毒な無縁仏なので、その点だけが大きく違っている。
タイトル・ソングは、もっと凝ったものを選びたかったのだけれど、結局、「ろうそく」から思いつく一番わかりやすい曲となった。そういえば、Dianaの命日もそろそろだったっけ?彼女には、取り立てて何の思い入れもないけれど、あの事故は衝撃的だった。ちょうどその日、大阪市内に出かけていて、号外が配られる場に遭遇した。でも、残念ながら、私の眼の前で配り終えられてしまった。そんな機会なんてめったにないのだから、ちょっと悔しかった。