Hellhound On My Trail/Rory Block

先日届いたRobert Johnson関連のDVDを2本、たて続けに見た。この手のものは、勢いに乗らないとなかなか見られない。まずは『Hellhounds On My Trail』から。これは、ロックの殿堂が98年に主催した一連のトリビュート・イヴェントをまとめたもの。
予想以上に印象的だったのは、Rory Blockの演奏シーン。アコースティック・ブルーズが好きなので、彼女のアルバムもとりあえず2枚持っている(一方には、<a href="http://www4.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=435022&log=20050601">以前述べた</a>ように、Jormaが参加している)けれど、実際の映像を見るのは初めてだった。椅子に腰かけて眼を閉じ、左足でステージの床をコツコツと踏み鳴らしてリズムを取り、何かに取り憑かれたかのように自己陶酔の表情で、黙々と弾き語りする姿は、かつてよく見たソロ・ライヴ時のJormaの演奏スタイルとソックリだった。CDで聴いたことのある彼女の音より、映像を通す方が、もっと身体の奥深い部分にまで染み込んでくるかのようだ。
Sonny LandrethとBob Weirは、いずれも「Walking Blues」をカヴァーしていたけれど、アレンジがずいぶん違う。ギター・パートは、Sonny Landrethの方が何倍もスリリングで、聴いていて飽きない。でも、彼のヴォーカルがへなちょこすぎて、曲のイメージに全然合わず大幅減点(普段は、へなちょこヴォーカルも好きだけれど、ここではちょっといただけない)!歌わずに、ギターだけに徹してほしかった。一方、Bob Weirの方は、無難でオーソドックスなカヴァーにすぎないのだけれど、私にはそれでも充分だった。また、Keb 'Mo'による「Love In Vain」は、オリジナルに忠実というよりむしろ、私にとってなじみ深いStonesヴァージョンに近く、聴きやすかった。
Tracy Nelson、Marcia Ball、Irma Thomasの女性トリオがアカペラで「Come On In My Kitchen」を歌っていた。実を言えば、ティーンエイジャーの頃、この曲より先にStonesヴァージョンの「You Gotta Move」を耳に入れたので、後で「〜Kitchen」を聴いて、「あれ?同じメロディの曲がある!」と思ったものだった(ちなみに、同様のことが、Yardbirdsの「The Nazz Are Blue」とElmore Jamesの「Dust My Broom」にも言える。この場合も、Yardbirdsの方が先になじんでいた)。
Chris Whitleyは、唯一持っているアルバム・ジャケットのイメージとはかなり違い、後でクレディットを見るまで誰なのかわからなかった。アルバム以上にブルージーでよかった。あ、もう1枚をコメントするスペースがない。