Such A Night/Dr. John

いきなり昨日の続きから。
予定通り、9時きっかりに演奏を終えたMarcは、いったん控え室に戻った。そしてアンコール。場内の盛り上がりはどんどん過熱する一方で、アンコールが終わっても、誰もその場を立とうとしない。それどころか、さらなるアンコールを求める。結局、その思いに応えてくれたのか、今度はMarcが1人で登場し、新曲だといって2曲披露してくれた。多分、これは異例のことだったと思う。
さて、その新曲はいずれも、ちょっぴり歯の浮くような、実にわかりやすいラヴソング。それでも、いくつになってもそういう気持ちでいられるというのは素晴らしい。実際、私自身もそうなので、なおさらそう思う。
2度のアンコールの後はサイン会となった。私は、あえてサインを求めなかったけれど、どうしても訊きたいことが1つだけあり、少しためらった後、勇気を出して尋ねてみた。
実は、彼は、かつてMarc Benno Bandと銘打って、シスコのChi Chi ClubでCipollinaと共演し、ライヴ・アルバムを出している。そのいきさつについて、ぜひ訊いてみたかった。それで、そのCDを本人に見せて、”How did you get to know the late John Cipollina?”と切り出した。
ところが、返ってきたのは、シスコにいた頃、誰かが紹介してくれたにすぎず、直接、よく知っているわけではない、というガッカリするような返事で、それ以上突っ込むことはできなかった。代わりに、今度は彼の方から、そのCDをどこで手に入れたのかと質問された。
実は、借り物(いずれ買おう!とモタモタしている間に「在庫切れ」になっていた)だったのだけれど、とりあえず「CD Babyで」と答えると、本人からも、すでに入手不可能と聞かされた。CD-Rとして100枚しか制作しなかったらしい。そんなことなら、さっさと買っておけばよかった、と深く後悔している(ちなみに、MarcはCipollinaの名をイタリア式に「チポリナ」と発音していた)。
結局、なんだかんだとぐずぐずしていたので、自宅に着いたのは日付が変わる数分前だった。もう乗れないとあきらめるところだった発車間際の電車を、駅員さんが数十秒間止めてくれたのが幸いした。
ところで、新曲として紹介された曲の一方は、ちょっと気になって調べてみたら、2年前に発売された『Golden Treasure』というアルバムのタイトル・ソングでもある「Golden Treasure」とほとんど同じ歌詞やメロディだったように思う。今回の磔磔でのセット・リストは、まだどこにも発表されていないので確認はできないけれど、はたして真相はいかに?