Memory Of The Future/Eric Andersen

昨日、梅田に着いたのは5時前。開場まで1時間以上あったので、ブラブラしながら会場のバナナ・ホールへと向かった。途中、時間潰しに立ち寄った中古CD店で、『Exile:European & Canadian Recordings 1980-1984』というのを見つけた。ちょうど私がEricを封印していた時期のコンピ盤なので持っていず、即、購入を決めた。
会場に着くと、すでに先客が2人いた。そのうち1人は四国から来たという人で、初来日時の関西公演はすべて追いかけたという。饒舌家だった。その後、さらにもう1人、四国の方がいた。お2人共、フェリーやハイウェイバスでわざわざやって来たという。今回、北海道から九州までくまなく回っていると思ったのに、四国だけは萱の外だったらしい。
そのまま入り口付近にいたら、タクシーが止まり、降りてきたのはEricと現在の恋人(らしい)でバッキング・ヴォーカルも務めるIngaさん。知らんぷりするのは失礼なので、とりあえず挨拶した。左耳のピアスが、何となく不釣合いに見えた。「ライヴを見るのは、これで4度目なの」と伝えた。でも、彼はその回数を、今回の来日中の他会場公演と、前回の来日を合わせて4度、と解釈しているようだった。それで、「1度目は初来日の時で、次がRCR。その次がシスコで・・・」と説明すると、眼を丸くして驚いていた。一見、年齢不詳の人物が、そんな昔のことを持ち出したので、最初は信じられないという様子だった。そして、自嘲気味に”I'm too old now”と呟いたので、”No! You're still young”と、見え透いたお世辞を言っておいた。でも、実年齢を考えると、やはり若々しい。
終わってから、磔磔の時のようにサイン会となった。私はCDもLPも持たず、代わりに古いソングブックを差し出すと、またもや驚かれた。それだけでなく、79年にシスコで見た時のチケットを取り出した後、とどめに、RCR特集の雑誌の片隅に偶然載ったEricと私のちっぽけな2ショットの切抜きを見せると、わざわざポケットから老眼鏡を出してじっと眺め、”Oh, you are the same!”と言ってくれた。”You look the same”ではなく、”are”と言い切られて悪い気はしなかった。でも、半分以上割り引いて受けとめるのが身のためだろう。
一緒にカメラにおさまって、感激で泣きそうになっている年配の女性もいた。それに比べ、私ときたら、これまで1度も彼をそういうあこがれの眼で見たことがないので、冷静そのもの。ただ、携帯で撮った2ショットが、フラッシュがうまく働かず、はっきり写らなかったことだけは、ちょっとくやしい。