Long Long Way From Home/Foreigner

夕方、隣の駅前にあるホテルのロビーで家族と待ち合わせした。今もなお、相続関係の書類が次々と出てきて、そのたびに全員の印鑑が必要になる。急ぎの場合には、私や妹&弟が実家に帰るより、母が大阪にやって来て、どこかに合流するという方が、ずっと手っ取り早い。それで、この前は、大阪市内にある妹の家に集まった。今回は、ちょうど私が仕事の最中で余分な時間が取れないため、わざわざみんなで、近くまで来てくれることになった。ところが、いつも言っている通り、私の部屋は、身内すらもう何年も足を踏み入れたことがないほどの乱雑ぶり。
そのため、苦肉の策として、近くのホテルを集合地に選んだ。書類の手続きはすぐに終わり、ホテル内のレストランで食事することになった。てっきり和食にしか興味がないと思っていた母が、意外にも、普段あまり食べないから、たまにはフレンチかイタリアンにしたいと言い、結局、後者を選んだ。ところが、そのホテルは、大阪市内にもいくつかある老舗の系列にもかかわらず、レストラン従業員の接客態度の悪さにあきれてしまった。大阪市から出たとたん、従業員教育が手抜きになるということだろうか?早い時間帯で、お客は私達だけだったせいか、スタッフは隅の方で無駄話ばかりして、食事の途中でこちらが呼んでも、なかなか気づかない。お料理そのものも、前菜からメイン・ディッシュまで塩味がキツすぎ、薄味好みの私達の口には合わなかった。でも、カロリーだけは充分に高いのだから、何だか損をした気分になる。おいしいものを食べて太るのなら、多少は納得できるけれど・・・。
ところで、このホテルと連結した駅周辺には、ショッピング・センターもあり、普段は自転車でやって来る(たまたま今回は、少しでも時間を無駄にしたくなかったので、電車を利用した。でも、たった一駅の距離)。自転車を使う場合、途中、駅のすぐ手前に、堺の歴史を物語る南蛮人(いつも思うけれど、これって差別用語じゃないのかな?)の銅像が建っている。ところが、その像は、はるか遠くの故郷を偲ぶかのように、沖に向かって建っているのではなく、橋の欄干に手を掛けて、反対側の川面を見つめて、寂しそうに佇んでいる。どうしてそっちを向いているのか、不思議でたまらない。しかも、その川というのが、思わず鼻を覆いたくなるほどの悪臭で評判のドブ川。おかげで、そばを通るたびに気の毒になる。と同時に、そんな場所に建てられたことを怒って、いつか振り向いて、動き出すのではないかという恐怖さえ感じてしまう。