Bring It Home Again/Charlie Sexton

午後、予定していたより1本早い特急に乗るため、早めに仕事を切り上げた。乗り継ぎ駅のプラットフォームには、すでに短い列ができていて、その最後尾に妹が立っていた。雑談しながら、電車の到着を待った。3連休なので、ひょっとすると、席に座れないかと覚悟していたけれど、幸い、思ったよりずっと空いていた。いつもなら、席に着くやいなや、CDを聴き始める。でも、今日はそういうわけにもいかず、しばらく雑談を続けた。私はもっぱら聞き役。妹がこのところずっとお気に入りだという、KAT-TUNの話ばかり聞かされた。彼女がTOKIOSMAPを好きなのは知っていたけれど、去年あたりから、新たにKAT-TUNまで好きになり、せっせとコンサートに通っていることを知った時は、さすがに驚いた。ただ、彼女のごひいきは、いずれのグループでも、一番人気のある人や二番目の人ではない。その点が何となく笑えるし、いかにも彼女らしい。パッと見て目立つタイプは、決して好みじゃないという。控えめだけれど、決して地味ではなく、地道に我が道を進んでいる人が好きだそうで、ごひいきの顔ぶれを見ても、確かにそんな人ばかりだ。
ひとしきり、しゃべりたいことをしゃべってしまうと、妹はさっさと眠ってしまった。相変わらずわがままだ。でも、これで、ようやくCDを聴くことができる。まずは、Charlie Sextonの10年ぶりのアルバム『Cruel & Gentle Things』。数日前に届いたのに、仕事のせいでお預けとなっていた。アコースティック・ギターを多用し、じっくり聴かせるアルバムとなっている。作詞・作曲、プロデュースだけでなく、ベースやドラム、キーボードの一部まで担当し、多才ぶりを発揮している。彼のヴォーカルにも惚れ直した。
1つだけ文句を言うとすれば、ジャケット写真。やや元気がなく、不機嫌そうにすら見える。女性アーティストの場合、ジャケット写真に対し、異常なまでに気を遣う。CG修正までして、自己を最大限にアピールしようとする。なのに、Charlieはあまりにも無頓着すぎる。せめてもう少し、精彩のある写真にすべきだったと思う。今さら、見た目で判断してほしくないというのなら、前作同様、あえて本人の顔を出す必要はなかったのだし。中途半端はよくない。
結局、聴き始めたのが遅かったので、1枚聴いただけで駅に着いた。
持ち帰った仕事の量が少なすぎたせいで、夜、ずいぶんゆっくりできた。そうなると、今度はQMSのリマスター盤を聴く番だ。ヘッドフォンから、臨場感溢れる『Happy Trails』が流れて、いつしか夢うつつ。