Besame Mucho/The Beatles

困った、困った。聴けない時に限って、注文していた品が続々と届く。今に始まったことではないけれど、何とかしてほしい。本日の到着物は、Rory BlockのDVDとCountry Joe McDonald『Superstitious Blues』(Jerry Garcia参加)、そしてRay Wilie Hubbard『Loco Gringos Lament』。
今回も、全てが個別のエアメイルだった。我が家には、こうしてエアメイルがやたらと届くせいか、宛名がローマ字で書かれた郵便物なら何でも、私のポストにまとめて入れようとする強引な郵便配達人がたまにいる。そんな時、誤配された郵便物に書かれた部屋の号数を調べて、私が届けに行くことになる。たいていは、ここに住んでいる外国人世帯宛てだ。ここに越して来たばかりの頃はそれほどでもなかったのに、最近、特に中南米系の人が増え、敷地内で、あの独特の言葉の響きがよく耳に入ってくる。日本に出稼ぎに来て、そのまま住み着いた人が多いらしい。少し離れた海岸の埋立地帯に工場があり、受け入れ態勢が整っているからだろう。最初の頃は日系人が中心だったのに、今では、見ただけでラテン系のルックスの人が増えている。暮らし向きもかなり良さそうだ。
一駅隣の駅前広場で、ストリート・ミュージシャンが歌っている場面に遭遇することがあるけれど、その中に時たま中南米の人もいる。彼らは、たいていお決まりのラテン系ヒット曲を歌うので、つい足を止めて耳を傾けたくなる。
今日のタイトル・ソングもそんな中の1曲。『Let It Be』の映画で、Paul McCartneyが口ずさんでいたシーンが印象に残っている。それからもう1つ、この曲には、ちょっとした私的エピソードもある。2ヶ月足らずの語学研修が名目(本当の目的はライヴ観賞!)で初めて渡米した時、帰国直前にナッツベリー・ファームを訪れた。その時、1人で行くはずだったのに、同じ研修に参加していた日本人の男の子が一緒に行きたいと言った。やたらと自信たっぷりな感じの子で、私にちょっかいを出したがっているのはわかっていたけれど、1人で行くより楽しいと思ったので同行をOKした。
ひなびた味わいの館内で、古典的な人形劇をやっていた。何気なく足を止めると、突然、登場人(?)物の牛がこの曲を歌い出した。私は、からかい半分に「この曲のタイトル、どんな意味だか知ってる?」と尋ねてみた。もし、その子が「Kiss Me Much」という英語タイトルをちゃんと答えられたら、見直そうと思ったのに、案の定「知らない」という返事。だから、残念ながらそれ以上話もはずまず、状況が進展することもなかった。