Brother Sun Sister Moon/Donovan

昨夜(厳密には、今日の明け方)寝る前に、不思議な現象を体験した。右側の耳を下にして、横向きになってウトウトし始めたら、左側の耳に向かって、誰かの囁くような声がした。ちょっと甘ったるい女の人の声で、「ええっと・・・」とか、そういう風に聞こえた。一瞬、「あれ?」と思ったものの、同時にもう1つの事実に気付き、恐怖感よりむしろ、狐につままれたような気分になった。というのは、その声は、どう考えても自分自身の声だったのだから。その時、寝ぼけていたわけではない。枕に押し付けていたのと反対側の耳から、はっきりと聞こえてきた。これは一体、どういうことなんだろう?姿が見えず、声だけのドッペルゲンガーのようなもの?さっぱりわけがわからないけれど、確かに言えるのは、何らかの雑音を聞き間違えたのではなく、人間の(しかも自分自身の)音声として聞こえてきたということ。科学的に分析すると、どのような答えが返ってくるんだろう?
私の周囲では、普通ではありえないような偶然の出来事が頻繁に起こるけれど、こういった、理解不能な不思議な出来事はめったにない。ましてや、怪奇現象や心霊現象などというものに、直接、出くわしたことは1度もない(せいぜい、その気配を感じる程度)。
唯一、今もなお不思議でたまらないのは、イタリアのアッシジという、中世の趣を残した丘の上の街で、サン・フランチェスコ大聖堂をカメラに収めようとした時のこと。何度押しても、シャッターが下りない。それまで、きちんと動いていたのに。どうしようもないので、近くにあった写真屋さんに修理を依頼した。ところが、数時間後に取りに行くと、どこも故障していないという言われた。確かに、店主が押すと、シャッターは容易に下りた。そんなバカな!それまで、何度試してみても、絶対に下りなかったのに・・・。
その時、ふと脳裏をよぎったのは、敬虔なクリスチャンでもない人間に、興味本位で写真を撮られることを、その教会が拒絶したのではないかということだった。自らのその考えに、妙に納得してしまい、それ以来、寺社仏閣や教会のたぐいには、安易にカメラを向けないようにしている。ちなみに、私を拒否したその大聖堂は、8年前の大地震で崩落し、その後徐々に修復されているらしい。
アッシジでサン・フランチェスコ大聖堂といって、すぐに浮かぶのが『ブラザー・サン、シスター・ムーン(Brother Sun Sister Moon)』の映画。大聖堂に祀られている聖Francescoの生涯を描いたもの。その音楽を担当していたのは、Donovanだった。