The Night They Drove Old Dixie Down/RP&CM

慌しい1日だった。昼間は、仕事と仕事の合い間にお決まりの雑用処理に追われ、夕方、次の仕事絡みで外出したその足で、梅田のHard Rainに向かった。Jud Newcomb & Walter Tragertのライヴが、そこで行なわれることになっていた。開演は7時半とやや遅い上、前座が2組もあるというので、最初からイヤな予感がしていたけれど、まさにその通りとなった。メインアクトが始まった時、すでに9時を回っていた。帰りの時間を気にしていては、せっかくのライヴが存分に楽しめない。結論から先に言うと、それが唯一、かつ、最大の心残りだった。
もちろん、ライヴそのものは、期待を裏切るものではなかった。だからこそ、終わった後、あたふたとその場を後にするのではなく、余韻をたっぷり味わいたかった。
それにしても、私は「ライヴの直前に、そのアーティストのCDをじっくり聴く」なんていう律儀なことは、1度もしたことがないけれど、特に今回はひどかった。時間がなかったせいもあるけれど、Judのソロ・アルバム2枚と、参加アルバム数枚は何ヶ月か前に聴いていたものの、曲名はほとんど覚えていないし、先月出たばかりのニュー・アルバムは未聴だった。Walterに至っては、オフィシャル・サイトで少し試聴した程度。というわけで、ほとんどぶっつけ本番で、その場に臨んだ。でも、いい音楽を聴く場合、そういった事前予習(?)なんてほとんど無用なことぐらいよく知っているし、実際、その通りだった。
ちょうどこの日は、あの「ラストワルツ」のコンサートが行なわれた記念日であることをJudが途中でコメントした後、「Ophelia」が始まった。各地の会場でこれがカヴァーされていたという話を、すでに聞いていたので、それほど驚かなかったけれど、大阪ではさらにオマケがあった。2部の途中に組み込まれたラリーパパ&カーネギーママとのジョイント・ステージで、何と「Up On The Cripple Creek」まで取り上げられた。これはもう、思わず声を上げたくなるほどうれしいハプニングだった。
結局、この日、The Bandのカヴァーを全部で3曲聴くことができた。そのもう1曲とは、日記のタイトルにも拝借したラリーパパ&カーネギーママによる日本語ヴァージョン。中途半端な英語で歌うより、こうして日本語で歌う方がずっと新鮮だった(特に、サビの部分の言い換えは秀逸)。
結局、私のタイムリミットぎりぎりのところでアンコールが終わった。素晴らしいライヴのお礼を2人に伝えないで去るのはしのびなかったので、大急ぎで少しだけ言葉を交わしてその場を後にした。