Sweet Temptation/Jewel

引っ越して以来、雪の日は何度かあったものの、本降りの雨の日は今日が初めて。普通なら、雨の日は家にこもっているのだけれど、今日はそういうわけにはいかない。住む場所が変わると、行政のシステムも変わり、今住んでいる市では、水道を使用するために、わざわざ水道局まで足を運ばなければならないらしい。もちろん、引っ越した日からずっと水は出ているけれど、正式に申し込むまでは、無断使用扱いになるという。電話1本で済む話なのに、直接、窓口まで出向かなければならないなんて、実に不便きわまりない。しかも、私の居住地域を担当する支所は、不便な所にあるという上、年末年始をはさんでいたので、ずっと行きそびれていた。
そうするうちに、バス1本で行ける休日用窓口というのが、市内中心部に用意されていることがわかった。こんな裏技があるのはありがたい。初めて利用するバスのチェックも兼ねて、雨の中家を出た。
始発に近い停留所から乗ったため、最初はゆったりとしていた車内も、徐々に混み始め、繁華街を通過する頃には、ラッシュ並みの混雑ぶりとなった。窓の外の風景も、ガラスをつたう雨の滴に邪魔されて、モザイクがかかったように見える。これが、なかなかいい感じ。横断歩道を渡る人々のカラフルな傘は、ガラス越しだと、まるでPaul Kleeの絵画(それとも、Mark Rothkoのイメージに近い?)のよう。思わず、携帯電話のカメラで撮影しようとした。だけど、タイミングがズレてしまい、ああ残念。
結局、50分近くかかって、目的の停留所に着いた。予想していた以上に遠い。ずっと座っていたからよかったものの、そうじゃなければ、相当へヴィな行程だろう。用を済ませてバス停に戻る途中、うれしいものを発見した。それは、駅の中にあった「辻利」の小さな売店。店内の小さなスペースで飲食もできる。ちゃんとした店舗だと、いつも長蛇の列なのに、こんな穴場だとすぐに入れる。抹茶ソフトクリームの誘惑に打ち勝つことはできず、即、本能にまかせることにした。抹茶を使ったデザートを食べる場合、ほろ苦さが感じられないと、たちまち怒りモードに陥る私だけれど、その点に関しては、さすがに、この老舗のソフトは文句なしだった。でも、そのおいしさをさらに引き立てるためには、甘さをもっと控えるべき!これは、声を大にして言いたい。せっかくの抹茶の味と香りを、過剰な甘さのせいで台無し・・・とまでは言わないにしろ、半減させるなんて、ばかげている。
と言いつつ、きっとまた食べに行くことは眼に見えているけど。