Ball 'N Chain/Big Mama Thornton

ぼんやりとTVを見ていたら、お昼過ぎにすでに15℃を超えているというので、界隈を散歩するつもりで外に出てみたら期待はずれ。日陰はまだ肌寒い。それでも、震えながら自転車を走らせていくうちに、少しずつ暖かくなってきて、特に目的もなくブラブラした。普段の通り道から1、2本ずれた路地にも、雑誌で取り上げられていそうなカフェやレストランが、ポツポツと散らばっている。今日は日曜のせいか、どのお店の前にも車が止まっている。要するに、遠くからやって来る人が多いということ?わざわざ、こんな街外れまでご苦労様!そのせいで、どのお店にも入れなかったのが恨めしい。
家に戻ってから、『Lightning In A Bottle』を見た。昨年、劇場公開されたのを見逃して以来、ずっと気になっていた(この映画の前に出ていた同様のシリーズの5枚組DVDは、いち早く見ていたのに)もので、今頃、ようやく見ることができた。見る前の一番のお目当ては、当然のことながら、Levon Helmだった。でも、元気そうな姿を見ることができてよかったというだけにすぎず、あくまでもサポート役に徹しているというのは、ちょっと物足りない。Keb' Mo'は、以前見たRobert Johnsonのトリビュート・ライヴの時と同じく、ここでも「Love In Vain」をやっていた。Steven Tylerの「I'm A King Bee」は、Mick JaggerやJim Morrisonヴァージョンに負けないほどイヤらしく、なまめかしくて思わず顔がほころんだ。でも、一番印象的で、今もなお頭の中から消えないのは、Macy Grayによる「Hound Dog」!これはもう意外な発見だった。この曲といえば、Elvis及び彼のフォロワーのロカビリー系シンガーによるヴァージョンのイメージがあまりにも強いため、オリジナルがBig Mama Thorntonだということを、すっかり失念していた。だからこそ、Macyのクセのあるハスキーな声で歌うブルージーなヴァージョンは、衝撃的だった。実を言うと、彼女の名前を聞くのは初めてなので、早速調べてみたら、ソウルやR&B系シンガーとして有名な人だということを知った。Santanaのアルバムにもゲスト参加していたという。相変わらず、自分の無知ぶりが恥ずかしい。彼女自身のアルバムの音楽性は、残念ながら、私の好みのタイプからちょっとズレているように思うけれど、あの「Hound Dog」だけは、これまで耳にしたどのヴァージョンよりもインパクトがあった。ちなみに、Big Mama Thorntonといえば、今日のタイトル・ソングも有名だけれど、こちらも、最初に聴いたのは、もちろんJanisヴァージョンだった。