Snowblind/Black Sabbath

昨日の朝5時まで荷造りをした後、少し仮眠して8時に起き、作業を再開した。奇跡でも起こらない限り、マズいことになるというのは、その時点で察知していた。それでも、ただひたすら奇跡が起こるのを信じていた。やっぱり甘かった。徹夜しても状況がほとんど変わらないまま、夜が明けた。この2日間の合計睡眠時間はわずか3時間。よくもったと思う。
引っ越し業者が到着する時間が近づいても、5つ並んでいる本棚の中身は、半分以上埋まっていた。仕事部屋の机の上も片付いていない。それでも、他の荷物を運んでもらっている間に、せっせと梱包の続きをするつもりでいた。ところが、4人やって来た作業員のリーダー格は、利用者の気持ちなどこれっぽっちも配慮しない非情な奴で、まだ片付いていない荷物を、わざとぐちゃぐちゃに散らかしながら、作業を進めようとする。この日、あと3件請け負っているとのことで、少しでも早く終えるためには、どんなに荒っぽいことをしてもよいという彼の姿勢に、あきれるしかなかった。そもそも、朝一番のコースというのは、それだけ料金も高く、遅い時間のコースになるほど割引されるのだから、まず何よりも、最初のお客である私を最優先して、全力を尽くすべきなのに!サポート役の3人も、リーダーの横暴な態度を見ながら私に同情しつつも、「お気の毒ですけど、どうしようもないんです」としか言ってくれない。結局、2時間後にさっさと見切りをつけて、「もう時間がないので、残りは後日に。」と言い出す始末。もちろん、それは別料金。確かに、当日までに梱包を終えていなかった私にも責任はあるけれど、ひどすぎる。業者の去った後の信じられないほどの散らかりようを見ると、大地震か、泥棒に部屋中引っくり返された後にしか見えなかった。それを元通りにするには、きっと1日以上かかるはず。その余分な作業のことを思うと、これまで味わったことのない怒りと悔しさと、情けなさが入り混じった感情に襲われ、泣き喚くしかなかった。「呆然と立ちすくむ」というのは、まさにこのことだと思った。そして、よりにもよって、この日は、12月の大阪には珍しく朝から大雪。すでに何cmも積もり、止む気配はなく吹雪いている。それが、侘しい気持ちにさらに拍車をかける。暖房もない寒い部屋の中で、放心状態からほんの少しだけ抜け出すことができたのは、夕方になってからだった。その場を動く気力すらなかったけれど、そこで夜を明かすと凍えてしまう。やむなく、最後の力をふりしぼって電車に乗り、引っ越し先に向かった。