Tell Me Why/Neil Young

10日ほど前から話題になり始めた、Vault Radioのプレイ・リストが更新された。これはBill Grahamの遺産ともいえる、フィルモアを中心とした60〜70年代のライヴ音源を、週に80曲前後24時間無料で流す太っ腹のネット・ラジオで、毎週火曜日にリストの過半数が入れ替えられる。
初めて聴いた時は、とにかく夢中でかじりついたものの、2〜3日かけてひと通り聴き終えると、少し冷めてしまった。よく考えると、特に目新しい音源が流れているわけでもないし、取り上げられるアーティストすべてが好みとも限らない。しかも、プレイ・リストは予め発表されていても、アトランダムに流れるので、目当ての曲を聴き逃さないようにと思うと、PCから離れられなくなる。そんなことに疲れてしまった。
それでも、更新されるとなると、新たにどんなものが追加されるか気になって、再び耳を傾けた。すると、いきなりBoz Scaggsの「Let My Life Shine」なる曲が流れた。でも、実はこれはフィルモアの映画でもやっていた「I'll Be Long Gone」のことだった。サビの部分のフレーズを、誤ってタイトルにしてしまうというのは、ライヴ音源のセット・リストではよくあることだけれど、まがりなりにもBill Grahamのアーカイヴを公式に提供するような場で、こんな初歩的なミスがあるなんてひどい!
それだけでなく、先週流れた曲の中に、もっと大きな矛盾があるものもあった。すでにmixiのTunaのコミュニティで、気合を入れて語ってしまったけれど、プレイ・リストの「Uncle Sam Blues」の日時と会場が、ありえないものになっている。記載された時期(01/08/67/Webster Hall NYC)には、まだ、Hot Tunaというバンドは存在していなかった。それどころか、その日、JAが同じ会場でNYで初めてとなるプロモ用ライヴを行なっている。つまり、何らかの手違いで、誤った説明がなされているということ。気になってもう1曲「John's Other」について調べてみたら、やはりこちらにも疑問が生じる。これは、Papa John Creachのエレクトリック・フィドルがフィーチャーされた曲として有名なのに、プレイ・リストに記されている日付の頃には、まだPapa Johnは参加していない。一体どういうことなんだろう?もちろん、古い話なので、多少の誤りは大目に見るべきだけれど、明らかな矛盾といえるこういった大きな誤りは、見逃すわけにいかない。わかっているだけでも、こんなミスがあるのだから、知らずに聴いているものについても、似たようなミスが多いに違いない。そう思うと、ますます冷めてくる。