Pluto/Bjork

昨夜、冥王星を惑星から外すことが天文学の国際会議で決定され、大きな話題となっている。学術的な分類がどうなろうと、冥王星が今後も存在することに変わりはないのだから、その決定自体については、特に何も言うつもりはない。ただ、「冥王星」で思いついたことを少し。
中学生の頃、背伸びして読んでいた『セブンティーン』という雑誌に、「八占星術」というのが掲載されていて、8つの星の中に冥王星も含まれていた。でも、生まれた年(西暦)、月、日、それぞれの末尾の奇数・偶数の組み合わせだけで守護星を決めるという、何の説得力もないもの(それでも、血液型占いよりまだマシ?)だったので、子供の私でさえ、信じる気にはなれなかった。
一方、感心したのは、TVで紹介されていた「元」9惑星の英語での覚え方。それぞれの頭文字を取って、”My Very Educated Mother Just Served Us Nine Pizzas”なんだとか。これならすぐに覚えられる。そして、「Pizzas」が表していた「Pluto」が除外された今、”〜 Served Us Nothing”になるという声もある。その皮肉なセンスは、お見事!
もう1つ大笑いしたのは、Disneyのキャラクター、Pluto。あまり魅力のない犬なのに、どうしてこんな大げさな名前がついているのか、以前から気になっていたけれど、冥王星が発見された年に誕生したので、その名がついたということを、今回初めて知った。完全に名前負けしている(そういう意味では、そもそも、あんな小さな星を「Pluto」と命名したこと自体、納得できない)。その犬のPlutoが、今回、冥王星が惑星(planet)から矮小惑星(dwarf planet)に格下げされたことを受けて、7人のこびと(7 Dwarfs)から、仲間入りを誘われているという。こんな語呂合わせは大好き!
さて、冥界の王、Plutoとはローマ神話での呼び名。ギリシャ神話だと、Hadesとなる。Hadesといえば、豊穣の女神Demeterの娘、Persephoneをさらってきた話が有名。母は、娘の救出を試みるものの、いったん、冥界の食べ物を口にした者は、2度と地上に戻れないという掟があり、Persephoneは、すでにザクロを食べていた。そのため、母がどう力を尽くしても、娘は1年の3ヶ月を、冥界で過ごさなければならなくなった。その期間中、娘の不在を嘆くDemeterは、自分に与えられた役目を果たせなくなり、作物の実らない「冬」という季節ができた、というまことしやかなストーリー。
子供の頃から、ギリシャ/ローマ神話に夢中だったのは、こういう、いかにも辻褄の合うストーリーが満載だったからに違いない。