Hallelujah/Jeff Buckley

去年とはうって変わって暖かいクリスマス・イヴ。去年の今頃は、大雪の中、引越し騒動で大変だった。クリスマス当日も、積み残された荷物の整理に大わらわ。暖房がなくなり、凍えるような部屋の中で、山のように残った荷物整理の合い間に、休憩を兼ねて近所のお店で買ってきた小さなケーキを食べた。その日の日記を読み返してみると、「時間が経てば、ちょっぴり甘く、そしてほろ苦い思い出話となるに違いない。」と書かれている。今となっては「ほろ苦さ」さえすっかり消え去り、ある意味で楽しい思い出となっている。
去年に限らず、例年、クリスマスらしい気分なんて、ほとんど味わったことがない。せいぜい小学生の頃までだった。もちろん、お祭り騒ぎは嫌いではないけれど、出不精なので人ごみの中にわざわざ出かけたいとは思わないし、これ見よがしな商戦に乗せられるのも、何だかシャクな気がする。結局、いつもの週末と変わらない過ごし方をするだけだった。
ただ、すぐ近所の府立植物園で、期間限定でスペシャル・イルミネイションが見られるというので、陽が沈んでから軽い気持ちで覗きに行った。外からでも、少しは見られるだろうし、気が向けば、入園してもいいなと思っていた。ところが、甘かった!午後6時前に、すでに入り口には長蛇の列。ロープまで張られていて、外から覗くことさえできない。よく見ると、どこもかしこもカップルだらけ。苦笑しつつ、少し離れたところにある教会に足を延ばしてみた(その界隈には、どういうわけか派手な外観の教会が多い)。ところが、私の考えは、どこまでも甘かった。先ほど以上のカップルの群れが、20、いや、30メートルぐらい列を成している。そんなところに、あえてたった1人、しかも自転車で行った私は、完全に浮いていた。どうせ、どこへ行っても浮きまくりだから、今さらどうってことはないけれど・・・。結局、いい撮影スポットが見つからないまま、仕方なく、外から写真を撮って、さっさと帰ってきた。途中、さらに増える一方のカップルに、自転車をぶつけないように走るのに苦労しながら。
タイトル・ソングは、数日前、『世界の車窓から』で偶然流れていたのを聴いて、ふと思い出した。今や、親子二代(あるいは、それ以上)に渡るミュージシャンは少なくないけれど、どちらも好きで最初に浮かぶのは、私の場合、Tim & Jeff Buckley親子といえる。Dylan親子も捨てがたい。でも、父親同士はほぼ引き分け、いや、Bobの方が多少上回るとしても、JeffとJakobを比べると、断然、Jeffに軍配が上がる。