Behind Her/Dogstar

Vashti Bunyan初来日!という貴重な情報を得たのは、ほんの数日前のことだった。そして大騒ぎしている暇もなく、今日からチケットが発売されるというので、いつもより早く眼を覚まし、近所のコンビニへ出かけた。昨日は体調不良で、1日中ダウンしていたというのに、都合のいい時だけ、一時的に体力が回復するのだから何とも便利な体質だ。
本当は、わざわざ朝っぱらから買いに行くつもりはなかった。ところが、会場となるお店に直接電話予約するのは不可で、しかも、オール・スタンディングだということを知ったので、やむなく出向くことになった。
オール・スタンディングのライヴといえば、私のように小柄(&体力不足)な人間には、実に不利な形態なので、これまで、なるべく避けていた。それでも、今から10数年前、Dogstarが来日した時は、どうしても観たくて(「聴きたくて」ではなく)、慌ててチケットを手に入れた。でも、時すでに遅く、私に割り当てられたスペースは、一番後ろのブロック。会場のIMPホールはスロープがほとんどなく、設置されたステージも低かったせいで、私の位置からかろうじて見えたのは、お目当てのベーシスト(名前はあえて伏せる)の頭だけだった。普通のライヴなら、他の観客の間をすり抜けて、少しでも前方に進むことは可能だったに違いない。少なくとも、アメリカではそうだった。ところが、そのライヴの観客のほぼ100%が女性だったせいか、互いに厳しく牽制し合い、自分より後ろの人間を、絶対に前に行かせないようにしようとする。そんな苦い経験のせいで、オール・スタンディングのライヴ・アレルギーは、まずます強くなる一方だった。
このアレルギーから逃れるためには、もう2度と見に行かないと誓うか、あるいは、何とかがんばって、前方の位置をゲットするしかない。
結局、その後まもなくRenaissanceが来日した時は後者を選び、早目に会場に電話予約した。そのおかげで、どうにか最前列のど真ん中の位置を確保することができた。今回も、そうするしかない。その意識があったので、今ひとつ体調がすぐれなかったにもかかわらず、朝からコンビニに足を運ぶ気力が沸いた。
ところが、混み合っているせいか、端末になかなか接続できず、10分近く再入力の繰り返しとなった。そのため、期待したヒトケタの整理番号を手に入れることはできなかった(それでも、どうにか10番台が取れたので、ひとまず安心?)。とは言え、そもそも、Vashti Bunyanでオール・スタンディングというのは、Renaissanceの時と同様に不似合いな気がする。