Lady Sleeps/JG Band featuring Nicky Hopkins

どういうわけか、今年になって、音を聴くより映像を観る機会の方がずっと多かった。それが、昨夜、突然「音」モードに切り替わった。というのも、久しぶりにBill GrahamのConcert Vaultサイトを覗き、そこで取り上げられているバンド名だけでなく、参加ミュージシャンまで細かくチェックしているうちに、新たな発見があったから。
1975年12月19日&20日に、シスコのウィンターランドで行なわれたJerry Garcia Bandのライヴ!両日共、Nicky Hopkinsが参加している。思い起こしてみると、Jerryのソロ・アルバム『Reflections』が出たのが翌76年で、Nickyはそれに参加しているのだから、その前に一緒にライヴを行なっていたとしても、何の不思議もない。とはいえ、Deadファミリーといえば、私にとっては、どことなく敷居が高く(?)、いつまでたっても自分が部外者であるという感がある。以前、「JGB」と略されているのを「JBG」と見間違え、「Jeff Beck Group」のことだと思ったことさえある。それでも、Nickyが参加しているとなると話は別で、昨夜、数曲ピックアップして聴いた後、今日の午後からずっと、丸ごと聴き続けている。
各日、1時間半以上のセット・リストを見ると、Jerryのソロ・アルバムからだけでなく、Nickyのアルバムからの選曲もあり、うれしさと興奮のあまり、思わず声が出る。そのせいか、急に逆戻りした寒波も、まったく気にならないし、先週のめまいもすっかり消えている。「Mystery Train」や「The Night They Drove Old Dixi Down」、「Let's Spend The Night Together」、それに、珍しいところでは、Randy Newmanの「Birmingham」までカヴァーされている。さらには、クリスマスが近かったせいか、Nickyのソロで「Jingle Bells」という、うれしいオマケまで付いている。
もちろん、いずれも、思いっきりユルユルのカヴァーだというのは、誰にでも想像がつく通り。「Edward The Mad Shirt Grinder」については、ギター・パートを、ついQMSヴァージョンと比べてしまい、物足りなく思うけれど、後半部分での盛り上がりは悪くない。この曲が始まる前に、7分近く続くジャムも、目新しくてよかった。
最大の不満は、録音レヴェルが低く、ヴォリュームを最大にしても、全体が聴き取りづらく、MCにいたっては、ほとんど聴こえないということ。
便乗してもう1つグチを言わせてもらうと、私がたった1回だけJerry Garcia Bandを見たのは、それよりもう少し後だったけれど、その時にはNickyの影も形も見られなかったということ。くやしい!